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  • 寺報「妙乃見山」 投稿日:2026年02月01日

    2月1日 寺報「妙乃見山」

    今月の妙乃見山はこちらです。


    『ピックアップ記事」今月の法話

    柊イワシ

    新實信導

    節分といえば、豆まきと恵方巻きが頭に浮かぶが、実は「柊イワシ」という魔除けがある。

    節分の日にはイワシの頭を焼いて、柊(ひいらぎ)の枝に刺し、家の玄関に挿すという古くから魔除けとして用いられてきた風習である。柊の鋭いトゲとイワシの強い臭気が「邪気」を寄せつけないと考えられ、家庭の安全と招福を願うために飾られた。この風習は柊の枝にボラの頭を飾った平安時代の風習が起源とされ、いつの間にかボラからイワシに変わったという。

    また、西日本の一部の地域では、柊イワシを飾った後、その日のうちにイワシを食べる習慣があり、イワシにはDHAやEPA、カルシウム等を豊富に含んでおり栄養価が高いことからイワシを食べ無病息災を願う意味がこめられている。 ところで、「イワシの頭も信心から」ということわざがある。このことわざの由来は、柊イワシを飾る風習からきており「イワシの頭」は「つまらないもの」の意で「信心から」は「信じ方次第」という個人の信条のことを指している。つまり「イワシの頭のようにつまらないものでも、邪気払いのためと信じて行えばイワシの頭も尊いものになる」ということが語源とされる。何事においても、信じ方次第では素晴らしい方向へ動くものであるが、他人にとってはとるに足らないものでもある。とらえ方次第では、他人を揶揄する言葉となりうることもあるので、注意が必要である。

    法華経の勧持品第十三には「悪鬼入其心」とあり、「悪鬼その身に入る」という意味である。この世に目を向けると、窃盗や殺人といった凶悪な事件、イジメなど人の道にはずれた行為があとを絶たない。これこそが悪鬼が身体に入り、心が惑わされ、過ちを起こしている姿かもしれない。悪鬼を防ぐ手立てこそが、まさに法華経・御題目を唱えることなのである。節分には豆をまき、豆(魔滅)で邪気を払い、今年一年の福を是非呼び寄せていただきたいものである。